性感染症の代表的な症状の1つが性器の痒みです。

この性器の痒みを起こす性病が、トリコモナス症とカンジダ症の2つになります。
そこでトリコモナス症とカンジダ症について、詳しく解説をしていきましょう。

トリコモナス症とはどんな病気なのか

トリコモナス症とは、トリコモナス原虫に感染することで発症する疾患です。性感染症の中ではポピュラーなものですが、近年では感染者が減少傾向にあります。

基本的に性行為によって感染するのが特徴ですが、下着やタオル、浴槽などから感染することもあります。トリコモナス原虫は乾燥には弱いのですが、水中では長時間生存するため、性交経験のない家族に感染するリスクもあります。

トリコモナスの症状はどういうものがある?

男性側の一般的なトリコモナスの症状は以下の通りです。

  • 尿道から分泌物がでる
  • 排尿時に軽い痛みがある
  • 尿道に痒みがでる

男性は比較的に軽症であることが多く、尿道炎の症状を起こすことが多いです。ただ無症状であることも多く、低い確率で前立腺炎などを起こす可能性があります。

女性側の症状も確認しておきましょう。

  • 外陰部の痒み
  • 臭いのきついおりものがでる
  • 外陰部がただれる
  • 性交痛
  • 排尿痛

女性の場合はおりものに症状がでることが多くて臭いがきつく、黄色っぽい膿がでます。泡状になることが多いので、判別しやすいでしょう。

男性と比較すると女性の方が症状は出やすいですが、2割~5割は無症状ともされています。

トリコモナス症の治療はどうやって行うのか?

トリコモナスの治療は経口薬が一般的です。
また女性の場合は膣錠を使うことも多く、重症の時は経口と膣錠の両方を使います。

トリコモナスで使われる薬剤は、処方箋医薬品であるため市販薬はありません。また原虫が生息する限りは症状が続くため、自然治癒で完治することもないので注意してください。

治療には10日ほどの期間が必要とされますが、女性に限っては長引くこともあります。その理由としては原虫が月経時の血液で増殖する可能性があるため、症状の消失だけでは判断がしにくいのです。

カンジダ症とはどんな性感染症なのか?

カンジダ症は性感染症の中でも、強い痒みがあることで有名な疾患です。カンジダ菌というカビの一種によって引き起こされます。

感染症の1つとなっていますが、カンジダ菌はもともと人間の身体に存在する常在菌でもあるのです。そのため性交渉の経験がない女性でも、免疫力の低下などによって発症する可能性もあります。基本的に女性に多い病気ですが、男性も感染します。

カンジダの症状を確認しよう

ではカンジダの男性側の症状から見ていきましょう。

  • 亀頭包皮炎を起こすリスクがある
  • 膿のある小さな発疹ができる
  • 痒み
  • 皮膚の一部でかぶれたように赤くなる

男性はカンジダが原因の強い症状はでにくいです。自覚症状も少ないですが、まれに尿道炎を起こすこともあります。

次に女性の症状を確認しておきましょう。

  • 外陰部などの強い痒み
  • 白い酒かすのようなおりもの
  • 膣の炎症
  • 排尿痛

女性の場合、強くでる症状としては痒みとおりものです。痒みには個人差もありますが、場合によっては歩くこともできないほど強く出ることもあります。おりものは量が増えるだけではなく、白色で粘液状のものが出るのが特徴です。

カンジダ症は予防できるのか?

男性がカンジダに感染する経路としては、性行為により女性からうつされるのが一般的です。そのためコンドームを正しく使用すれば、予防することもできます。

女性側については局部を清潔にすることが大切です。若い女性で良くあるのが整理の時に、ナプキンを長期使用することによって通気性が悪くなり、ムレることによってカンジダ菌が増殖するケースです。

また膣内を石けんなどで洗いすぎるのも良くありません。膣内の微生物バランスが崩れてしまって、増殖しやすい環境を作るためです。

カンジダの治療にはどんな方法があるの?

カンジダ治療で一般的なのは、抗真菌剤の軟膏と膣錠、抗真菌薬の服用になります。

まとめ

性器のかゆみがトリコモナス症とカンジダ症の主な特徴になります。

  • トリコモナス症は原虫に感染することで発症するものです。
  • カンジダ症は常在菌であるカンジダ菌が増殖することで発症する疾患です。

いずれも性器に痒みが発生するのですが、カンジダの方が強く出ることが多いでしょう。

またおりものにも違いがでます。トリコモナスが黄色く泡状のものなら、カンジダは白くヨーグルト状のものです。
どちらも治療薬を使えば完治できる病気になりますので、何か異常があれば早めの治療をおすすめします。