ファッションの一部としてタトゥー(刺青・入れ墨)を入れたのはいいけれど、歳を重ねるにつれて「除去したくなった」という人たちが増えているようです。
タトゥーを除去したいと考える人には、それぞれきっかけがあります。結婚や就職、または出産・子育てなどが主な転機と言えるでしょう。
日常生活や社会生活の中で、タトゥーが入っていると温泉施設やプールに入れないケースがあったり、人の視線が気になる環境もあります。またタトゥーの内容次第では、病気になった際にMRI検査が受けられない場合もあるようです。
タトゥーのインクに含まれる金属成分(酸化鉄など)が、MRIの磁場や電波に反応して熱を帯び、火傷のリスクがあります。特に濃い色のタトゥーやループ状の図柄は影響を受けやすいため、医師の判断が必要になります。
美容整形手術の一つとしてタトゥーを除去する技術は年々進化していますが、同時に様々な問題も発生しています。事実、消費生活センターにはタトゥーの除去手術にあたって「宣伝通りに綺麗に除去できなかった」、「後遺症が残った」などの苦情も寄せられているようです。
タトゥーは入れるときは簡単ですが、除去するには高額な費用もかかってきます。除去には強い痛みを伴う場合もありますので、それらの点はあらかじめ認識しておく必要があります。
タトゥー(刺青・入れ墨)除去の方法
タトゥーの除去はタトゥーの大きさや色によって違ってきます。
大きく分けると下記のような方法があります。
- レーザー治療
- 切除治療
- 皮膚移植
レーザー治療
一般的にタトゥーを消す際はレーザーが使われることが多いです。レーザー治療は、タトゥーの染料をレーザーによって破壊して除去する方法です。
レーザー治療のメリットは、ターゲットが色素そのものであって皮膚は温存されます。よって皮膚に対するリスクも低く、ダウンタイムもほとんどありません。
デメリットとして、徐々に薄くしていくという治療の性質上、1回の施術では終わらず回数が必要ということです。
切除治療
切除治療はタトゥーの入った箇所の皮膚を切り取り、縫い合わせる方法です。皮膚の傷は目立っても早急に刺青である事を消し去りたい方に向いています。
デメリットとしては傷跡が残りやすい点です。
皮膚移植
皮膚移植は皮膚を浅く削り、ご自身の臀部などから皮膚を移植する方法になります。メリットは広範囲のタトゥーに可能で、デメリットは刺青を除去した場所と皮膚を採った場所の2箇所に傷跡が残る事です。
どの方法でタトゥーを除去するかは、専門医とよく話し合うことが大切です。いずれにしろ、タトゥーを全く元の皮膚に戻すことはとても難しく、体にも負担があることを理解しましょう。
タトゥー除去にかかる費用について
タトゥー除去の料金は病院で受けたとしても、健康保険はきかない自由診療となります。よって料金にもばらつきが出てきます。また、治療代金の他に検査料や麻酔の料金が別途必要になりますので、隠れ費用も含めてトータルがどれくらいになるのかをカウンセリング時の説明や見積もりで確認する必要があります。
レーザー治療の場合
レーザー治療の場合の料金は、1cm四方~40cm四方と大きさによって変わってきます。小さいもので2万円前後から、最大で10万円前後が相場のようです。
切除治療
長径範囲で2cm~6cmまで、最低でも3万円~20万円前後と幅があります。また手術になりますので、施術料の他に麻酔の料金などは別途必要になります。
皮膚移植
皮膚移植は大がかりな手術になりますので、料金も一番高めです。20万~50万以上で、どれくらいの範囲を施術するかによって料金が変わります。皮膚移植の場合も手術料以外に麻酔代等がかかります。
まとめ
タトゥーの切除には大きな金銭的な負担と肉体的なダメージを受けることになります。また、どの治療を受けるかによって、一度で完全に綺麗に除去できるとは限らないということも理解しておきましょう。
タトゥーは単に消せればいいという訳ではありません。消したはいいが、その箇所が余計に汚く残ってしまっては意味がありません。術後も、どれだけ皮膚が綺麗に再生できるかという点も重要になります。
上にあげた料金はあくまでも目安で、内容と回数によって料金は大きく変わるため、カウンセリング時に細く確認してください。また値段だけで判断せず、クリニックの実績や口コミ・術後の実際の画像等も考慮の上、後々後悔のないようにしたいところです。